僕の巡査

映画・ドラマ・アニメ

※この記事にはプロモーションが含まれています。

映画が好きと言っても、田舎住みの期間が長かった私、ちゅうは、

映画館での鑑賞機会はそれほどありませんでした。

特に若い頃は、ヒット映画にあまり興味がなかったので、ビデオでの鑑賞しか方法がなく、

自分の部屋で、一人で観ることが多かったのです。

映画館の臨場感はちゅうも大好きなので、観ることの出来る環境を羨ましいと思う気持ちはあったのですが、

サブスクの導入から、大分状況が変わってしまいましたね。

臨場感とか音響が良いことは魅力的ですが、利便性に優れたサブスク環境の方が、

トータル的にちゅうには大切な要素になっているような気がしてます。


現在のサブスク環境の鑑賞で、昔と比較して一番変わったことといえば、

視聴する映画の選別の仕方でしょうか。

レンタルビデオ時代のように、パッケージのスチール写真や、簡単な導入あらすじを見て決める時もあるのですが、

現在は圧倒的に、タイトルとスチール写真だけで決めることが増えました。

そのためハズレと感じる映画にぶつかることが増えてもいるのですが、

良い側面も沢山あります。

特に、何の話なのか全く情報のない映画を追いかける時のドキドキ感がハンパなく、

コレが作品の魅力を上げてくれることが一番でしょうか。

以前なら、お金払うからテキトーに選べないという気持ちがありましたが、

サブスクなら無料見放題が沢山ありますから、テキトーに選んでも痛くないですからね。

今回ご紹介します「僕の巡査」もそういう選抜を通過して、

観ることになった作品でしたが、予想の斜め上をいき過ぎたドキドキの映画でした。


「僕の巡査」(原題 My Policeman)は、2022年公開のイギリス·アメリカ映画。

僕の巡査 prime video

2012年の「マイ·ポリスマン」というベサン·ロバーツの小説が原作になります。

今の時代にマッチした作品なのですが、ちゅうにとってはこのタイプの映画をあまり見てこなかったので、

かなり衝撃的でした。

俳優も英国のボーイズグループ、ワン·ダイレクションハリー·スタイルズが出演と話題性が抜群の映画です。

個人的には、ノッティングヒルの恋人の車椅子のベラを演じた ジーナ·マッキーが出演もビックリでした。

ひと目見て、“あっ、ベラの人”と解るレベルの解り易すさでした。

さすがに年は重ねておられますが、美しさは健在。

美形の役者さんが多く、俳優陣にも注目していただける作品になっていますね。


🆘ネタバレ注意🆘

海沿い(崖地)の整備されたブライトンの住宅地。(三笘で有名ブライトン)

海沿いの一軒屋から老紳士が犬を連れて散歩に出かけます。

天気は良いのですが、風の強い一日。

海岸近くまで擁壁(?)の階段を下ると、波乱を想起させる荒々しいイギリス海峡の高浪が近くまで迫ってきます。

老紳士が出てきた一軒屋を見ると、ベッドメイクする年を老いた女性がいます。

戸棚にはスタンドと写真立てがあり、写真には若い男女が頬寄せる婚約時の写真。

そこへ1台の病院の送迎車が車椅子の男性を連れて来ます。

係員が女性に患者の扱い方を説明しているところを見ると、

家で面倒をみるために引き取るイメージ。

メイキングしたベッドに寝かされたのは、ヘーゼルウッドと呼ばれる老人のようです。

そこへ犬の散歩を終えた老紳士が帰って来ます。

車椅子の男性に目もくれず、ダイニングテーブルで向き合う老紳士は、

女性と口論を初めます。

二人の会話から、

①年老いた女性の名はマリオン

②散歩から帰ってきた男はマリオンの旦那

③マリオンの旦那は車椅子のヘーゼルウッドを引取ることに反対している

といったことが分かります。

どうやらマリオンの一存でヘーゼルウッドを迎い入れたようです。

夜中目が覚めたマリオンは、ソファーで眠る夫に毛布をかけ、

別室のヘーゼルウッドが眠っているのを確認した後、

病院の職員から預かったヘーゼルウッドの私物を確かめます。

彼女が手にとったのは、一冊の日記。

日付けから始まる日記を読もうとして、すぐに閉じてしまうマリオン。

深刻な面持ちのマリオンが持つ日記の表紙には、

P.H. のイニシャルがありました。(P. ヘーゼルウッド) 


翌日、ベッド脇でヘーゼルウッドに新聞を読んであげるマリオン。

ヘーゼルウッドは脳卒中で身体を壊し、喋ることも上手くいかない状態だと分かってきます。

ジェスチャーでタバコをせがむヘーゼルウッドをなだめるマリオンを、

怒鳴りつけるヘーゼルウッド。

なかなか上手く回っていかない3人にはどんな過去があったのでしょうか。


1950年代のこと、浜辺で日光浴をする若い女性が二人。

マリオンと、マリオンが憧れるトムの妹は、共に教師を目指す学生。

二人のもとへ駆け寄ってくる男性の中にトム(ハリー·スタイルズ)はいました。

トムの妹は、親友マリオンのために、兄のトムとマリオンを二人きりにするチャンスを作ってあげます。

兵役を終え警察官になったばかりのトムと、マリオンは久しぶりの再会の様子。

トムはマリオンの気持ちを(妹から聞いて)知ってか、マリオンを泳ぎに誘ってくれるのですが、

泳げない、寒い、と消極的なマリオン。

それなら…とプールに誘い出し泳ぎを教えてくれるトム。

プールでの個人授業で泳ぎを覚えたマリオンは、トムとの恋の方も着実に進んでいきます。

マリオンのようなインテリっぽさのないトムでしたが、

一緒に図書館に行ったり

彼女のことを知ろうと努力する真面目な彼をますます好きになっていくマリオン。

いつしか二人は恋人になります。


マリオンは(トムの妹も)教師となり、結婚も視野に入ってきた頃、

トムの方は、人生を変える友人と出会うことになります。

男の名はパトリック

美術品を収集する博物館のキュレーターでした。

先に触れた日記の P.H. は、このパトリックのことになります。(パトリック·ヘーゼルウッド)

二人が出会う日、車と歩行者の事故での揉め事があったのですが、

パトリックが仲裁を求めたのが、

警官トムでした。

警察官が嫌いというパトリックでしたが、警察にしては偏見がなく紳士、

無学でも向上心のあるトムと意気投合、交友を深めていきます。

(トムはマリオンの時もそうですが、相手の好きなことを少しで知りたいという向上心を持ち合わせています)

トム、マリオンの恋人ふたりは、パトリックの博物館に出向くのですが、

マリオンも、趣味が近いパトリックとすぐに友人となり、

恋人とその二人の友人の、3人組での行動が増えていきます。

マリオンとパトリックの難しい話に入っていけなくとも、満足そうなトムを見ると、

とても良い雰囲気の3人の交友であるように映っていました。

しかし、違う角度からこの3人を見てみると、全く違ったものであることがわかって来ます。

マリオンの友人には、自分の兄よりもパトリックの方がマリオンに似合っていると言われていました。

パトリックがマリオンに恋して、友人同士で一人の女性を取りあうことになるのか、

それともマリオンが、恋人トムから趣味の合うパトリックへ乗り換えたくなったのか。

トムが恋人らしいことを求めてこないという違和感はマリオンも感じていたようですし…


違う角度から見るというのは、パトリックからの視点でした。

交通事故で警官トムと最初に出会った時に、トムの人間的な資質に惹かれたパトリックは、

自分のライフワークともいえる描画のモデルになって欲しいと願うようになりました。

そしてそれはパトリックの部屋で行われることになるのですが、

絵を描き上げたあと、二人で酒を飲んで騒いでいるうちに、

パトリックはトムの下半身をもて遊びます😱(先にキッカケを作ったのはトムっぽいけど)

1950年代の英国は、同性愛が禁止されていた時代で、しかもトムは警察官。

酒が入ったにしても、この成り行きに目が覚めたトムは、

逃げるようにパトリックの部屋を出ます。

パトリックは、同性愛者でした。

トムは、そう感じていながら部屋へ行った形跡がありました。

海辺で一人、じーっと考え込みながら、

覚悟を決めたようにパトリックの部屋へ向かっていた場面がありましたので…


部屋を飛び出したトムに残されたパトリックは、

二度とトムに会えなくなるのでは、と悲しみに打ちひしがれます。

慰めでしょうか、同性愛者が顔を出す酒場で相手を見つけ、

人気のない路地でおっ初める二人でしたが、警察官に見つかり、

相手が捕まってしまいます。

一人逃げ切ったパトリックは、自分の部屋へ戻ってくるのですが、

アパートの2階の自分の部屋の前に、少し酔ったトムが座っていました。

部屋に入った二人は、激しく感情をぶつけるのですが、

結局ベッドで激しく愛を確かめることになります。

二人は昼間でも二人きりで会うようになるのですが、

トムはマリオンとの結婚を考えていることを打ち開けます。

上司の巡査部長から、出世するには結婚しろと言われたらしいのですが、

当然マリオンに対し好意もあるし、子供を持ちたい、とも思っていました。

そして、パトリックと別れたくないとも思っていたようです…


親友パトリックのスピーチの場面に変わり、

トムマリオンの仲睦まじい結婚式が行われています。

トムとマリオンの愛の証であるとともに、

トムとパトリックの身を守るための結婚でもありました。

そんなことも知らず初夜を迎えるマリオン。

マリオンは初体験のようですし、トムはぎこちなさを感じる初々しい二人の初夜。

トムとパトリックの時のような激しさとの比較から、

トムにとってマリオンは大切な人パトリックは愛する人

といった印象を受けます。

トムとパトリックの関係をソウルメイト、と真実を知らされていないマリオンが、とにかく不憫。

翌日の朝、二人の新居にパトリックがやって来ます。

新郎新婦共通の友人としてお祝いに来たのですが、酒が入り口論になってしまいます。

内容は、マリオンの仕事についてなのですが、

マリオンは、現在の教師を続けたい、

パトリックも続けるべき、の意見なのですが、

トムは、母親は子供と家にいて欲しいと願っていました。

パトリックの“君がそんなに偏狭だとは…”

という言葉にトムは怒りをぶつけます。

マリオンが教師をしていた方が密会がしやすいということが、パトリックの言葉に透けて見えたのでしょうか。

場を乱したトムは寝室に籠もってしまいました。

結婚後も以前と同様の付き合いができるとパトリックは踏んでいたのでしょうか。

この辺りから少しずつ3人の関係性に変化が現れてきます。

翌朝、マリオンが目覚めると二人の姿が見えません。

外を探していると、物置小屋で妖しい雰囲気で顔を合わせる二人を見つけます。

明らかに恋人のソレ。

ショックを受けたマリオンは、初めて二人の関係を疑うようになります。

まだ結婚式のあとたった2日目の朝のこと…


パトリックの日記を読むマリオン。

“1958年5月25日 二人が結婚して彼は遠くへ離れていく…”

この日も密会を続け、ベッドで会話するパトリックトム

少しでもトムといたいパトリックと、

マリオンを気にして早く家に帰りたいトム。

服を着て帰り支度を初めるトムに、ヴェネツィア旅行の提案をするパトリック。

美術品の仕入れで来月ヴェネツィアに行くのですが、

高額報酬を出すので助手としての仕事をしてほしい、とパトリック。

妻マリオンを心配するトムでしたが、マリオンの説得は自分がするとパトリック。

パトリックの強引ですが魅力的な提案に、マリオンを傷つけないことを条件に、パトリックの案に乗っかるトム。

二人は、彼女は二人の関係をまだ何も知らないと思いこんでいました。

マリオンが授業の一環で、子供たちを博物館に引率している時に、

パトリックはヴェネツィアにトムを連れて行くという話をします。

あくまで仕事として、仕入れの助手としてトムを連れていくと。

マリオンは帰宅後、トムが隠してあったヴェネツィアの旅行ガイドブックを見つけます。

トムが遅れて帰宅すると、ガイドブックは破り捨て部屋に散乱している状態。

“パトリックは性的倒錯者だ トム以外みんな気付いている”

とマリオン。

トムはマリオンの言動を否定し、本当の倒錯者は女装をしている、と説得にかかります。

怒りが籠もっているトムを見て、マリオンは口論を諦めます。

今後この話はしない、とキツく言われてしまったマリオン。

マリオンを傷つけないことを条件にしていたトムでしたが、

言い出しっぺのトムまでもが、彼女を大きく傷つけ、

トムとパトリックの二人は、ヴェネツィアに出かけることになりました。


甘々で楽しいヴェネツィアの旅行シーンが映し出されます。

人目を盗んで観光地でキスを交わすパトリックとトム。

スウィートルームで抱き合うパトリックとトム。

そんなヴェネツィアから、マリオン宛に絵はがきが届きます。

彼女ができることは、怒りと悲しみでその絵はがきに火をつけるだけ。

友人であるトムの妹に相談するも、彼女も同性愛者だと知らされます。

そしてトムがその傾向があることを認め、同性愛は悪ではないと言われてしまいます。

(マリオンは同性愛を、自然に反すると考えています)

友人との関係も壊れてしまったマリオンは、孤立を感じ初めます。


ヴェネツィア旅行が終わり、普通の生活が戻ってきた頃、

パトリックの博物館に警察官がやって来ます。

いつもと違うのは、“僕の巡査”ではなく、全く別の警察官がやって来たことです。

その時、警察署で内勤をしていたトムは、

パトリックが同僚警官に連行されているのを目撃、

驚きで視線を交わすトム。

同僚によると、パトリックは同性愛者と密告され逮捕されたようでした。

家に戻り、マリオンにパトリック逮捕を伝えるトム。

そして自分の身にも警察の手は延びてくると心配するトムは、

今までのパトリックとの関係を認め、マリオンに謝罪します

あなたを助けるために、裁判所でパトリック擁護の証言もしてあげるとマリオンは言うのですが、

果たして捕まったパトリックは、トムのことを口外せずに乗り切れるのでしょうか、

そして、警察の捜査はトムまで及ぶことはないのでしょうか

パトリックが刑期を終えた時、3人の関係はどのような形となっていくのか。

現在においてのトムとパトリックの不干渉の理由は一体何なのでしょうか。

結末は、是非映画を観て確認していただきたいです


今考えてみれば、僕の巡査というタイトルからBL要素を想像出来るように思いますが、

視聴前は子供視点のタイトルだと思っていたので、

見慣れないところからくる衝撃とギャップで、

とてもスリリングな視聴体験をしてしまいました。

性的な映画は嫌いではないのですが(むしろ好き)

見慣れないBLと激しすぎるベッドシーンに唖然とするばかり。(しかもワン·ダイレクションのメンバー)

凄まじいメガトン級の破壊力の作品でありました。

そして、原題であるマイ·ポリスマンではなく、僕の巡査という邦題をつけた担当の方は、

天才だと個人的に思いました。

マイ·ポリスマンとか私の巡査だと、

主体は、男女子供と誰でもあり得ますが、

僕の巡査だと、今回のパトリックはもちろんですが、

ちゅうが思った子どももあり得るし、ボクっ娘もあり得るかも知れませんが(ボクの巡査かな)

“私”より繊細さ、か弱さ、儚さを感じますよね。


同性愛といえば、

citrus という女子高生の百合アニメ(2018年)を思い出します。

健気な女子高生、柚子(声 竹達彩奈)ちゃんにハマってしまって、

未だに、ちゅうのスマホの待受画面にしています。(原作はサブロウタさんの漫画)

なんていうのか、上手く言えないのですが、

とにかく、美しさと儚さをすごく感じた作品でありました。

異性からの視点で見ると、今回の僕の巡査はこんな感じなのかなぁ、

と思ったりする ちゅうでした。


コメント

タイトルとURLをコピーしました