2022年にリリースされた音楽のアルバムの中から個人的に気に入ったものをTop10でまとめてみました。ちゅうにとって初めての年間アルバム発表は Amazon Music Unlimitedありきの企画でして、昔はビニール盤やCD購入、同系統の友人との貸し借り、レンタルCDとお金がかかる、時間がかかる、仕事が忙しくて(元サラリーマン) 手を出せるものではなかったですね。
サブスクは聴き手にとっては様々な音楽に触れられる良いシステムではあります。ただ昔のレコード店回りのワクワクを忘れられない ちゅう もいるのですが。
NO.10 Larkin Poe / Blood Harmony
NO.9 Jane Lee Hooker / Rollin’
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70年代丸出しの2バンドですが音だけじゃなくファッションも70年代、又、どちらもボーカルが女性で、というかほとんど女性で手掛けられるバンドです。特にラーキン·ポーはR&R、ブルース、カントリーの原点回帰系の中では頂点のバンドという印象です。Top10は逃しましたがテレキャスターのJoanne Shaw TaylarのNobody foolといい22年は女性組完勝です。
往年のブルースマンの名をもじったジェーン·リー·フッカーは9位。ギターの音や雰囲気ではラーキン·ポーやジョアン·ショー·テイラーの方に惹かれるのですが、R&R寄りの楽曲の出来を含め、とにかくカッコいいことに今回は負ける要素はありませんでした。系統の近いバンドで今年記事を書いたDogs D’amour、そのドッグスのギターJo Dog絡みのバンドの対象アルバムもあったのですが、やっぱり今年は女性完勝の年でした。
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NO.8 Skylar Grey / Skylar Grey
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NO.7 White Ward / False Light
NO.6 Deathspell Omega / The Long Defeat
NO.5 VOIVOD / Synchro Anarchy
NO.4 Darkher/ The Buried Storm
8位は エミネムの共作者として、又シンガーソングライターとして知られるスカイラー·グレイ。ちゅう が彼女を知ったのは2年程前、鬱ソングを集めていた時にAmazon Musicに薦められたのが彼女のI know youという劇鬱ソング。今回のアルバムも彼女特有な鬱加減で癖になります。4位のDarkherもそうですが暗い、ホラー、鬱々がたまりません。
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そのダークハーはMy dining brideの初期メンバーが奥様と作ったユニットでゴシック、フォーク、ドゥームメタルのカテゴリーですね。女性ボーカルのJayn Hanna Wissenbergはカテゴリー的に、チェルシー·ウルフやエマ·ルース·ランドルに近いのですが、ボーカルとしての神秘度、透明度、寒さ度において負ける要素はありません。声は怖い程冷たく、儚く美しいです。
7位、ポストブラックのホワイト·ワードはウクライナのバンドということで今年知ることになりました。サックス奏者がメンバーにいるJazzyな味付けが魅力のバンドです。
6位はフランスの暗黒ブラックメタル、デススペル·オメガです。ブラックにしてはテクニカルなバンドで ちゅう のお気に入りのバンドです。最近マンネリ気味だったのですが今回はいい出来だと思います。
5位のカナダのヴォイヴォドはスラッシュメタル初動期からのバンドです。メタリカにいたジェイソン·ニューステッドが在籍していたバンドとしても有名ですね。プログレ要素が強いテクニカルなバンドで特徴的なギターが売りです。
現在のギターリスト、チューウィーは初代ピギーのスタイルをずっと継承して来たのですが、今回のアルバムでは今まで以上にピギーそのもののプレイ、と言えるほどそっくりです。(チューウィーはピギーの死で後任になっている)
NO.3 Ibaraki / Rashomon
Ibaraki (茨鬼)はメタルバンド Trivium のボーカリスト、マット·キイチ·ヒーフィーを中心とするブラックメタルプロジェクトで、プロデュースはブラックメタルの皇帝、Emperorのイーサンが手掛けています。
茨鬼は茨木童子のことで、日系米国人で日本で生まれたキイチ自身のことを重ね合わせているみたいです。音は純粋なブラックメタルではなくトリヴィアムをブラックに寄せてイーサンが仕上げた、という正に言葉通りの音楽になっています。
イーサンは頂点にたった人ですがブラックの主流の音楽とも云えない、そんな部分が良く出たアルバムです。感情が飛び出るようなメロディに儚い美しさが漂う傑作だと思います。
ただジャケットがイーサン過ぎるというか彼のソロのジャケットってこんなシンプルな感じが多いですね。トリヴィアムの前作はドラゴンが格好良かったのに。イーサンのことばかり書いたけどキイチは曲づくりが最近格段に良くなっています。今後も期待出来そうですね。
NO.2 Rosalie Cunninghum / Two Piece Pazzle
ロザリー·カニンガム は英国のボーカル、ギターリストでウイッチ系のバンド、Purson のリーダーです。このアルバムがソロ2作目になります。
ストーナーでサイケな彼女の才能は最速、最遅の両極端バンド(ナパーム·デス、カテドラル)にいたリー·ドリアンに認められ彼のレベルからデビュー。パーソンは休止なのか解散なのか最近はソロばかりなのですが、しかしそのソロ1作目が大傑作、2作目の今回も期待通りの出来映えです。
サイケデリックな音づくりと高低激しいボーカルを安定させるテクニック、割と重いギター、時にポップで、時にはドゥームなブリティッシュロックの玉手箱といった感じです。
プログレのアルバムにゲスト参加したりと業界人気は高そうなロザリー·カニンガムは、確実に高みに登って行くと思います。
NO.1 Sadist / Firescorched
2022年のNO.1にはイタリアのメロディックデスメタル、プログレッシブなテクニカルデスメタルな サディスト のFirescorched に決めました。
このバンドは初期のアルバムの評価が高く、そのせいか伸び悩みというか、いいアルバムを出しても正当な評価を得ていないバンドです。ただ実際は相当高等なレベルでリリースを続けているモンスターバンドだと思います。が今回は文句なしの出来映えと云えます。
特にオランダ人のベーシスト、ヨハン·パウル·テセリンは加入後最初のアルバムで存在感を見せつけてくれました。彼はジャズフュージョンのカテゴリーでも活躍する7弦フレットレスの使い手でかなりのテクニシャンなのですが、ギター、キーボードのトミー·タラマンカのマルチプレイとの絡みが聞いていてただただ驚愕。ライブで観たいバンドNo.1にのしあがりました。文句なしの2022年ベストアルバムです!
サディストのライバルはBlood Incantationの新作と昨年から思っていましたが、まさかの路線変更。テクニカルデスメタルからアンビエント音楽への移行がありました。あまりの急転換に ちゅう は全く対応出来ず。
逆に好きではなかった Liturgyの新作ミニアルバムが思いの外良かったです。来年フルアルバムが出るとのことなので楽しみに待ちます。ブラッド·インカンテーションは念のためもう一回聴いてみようかな。
もう一作、プログレになりますか、ハンガリーのバンドで Yesterdaysの新作も年末にでました。ポップで分かりやすいプログレ風な曲の多いバンドです。一部の曲がAmazonでは有料でしたが ちゅう の好みのアルバムでした。プログレの新作はあまりでないので興味ある方は是非Amazon Prime Musicで。
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