終末鬼ごっこ

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※この記事にはプロモーションが含まれています。

想像通りの感染+ゾンビもの映画 アポカリプスZ という映画は、

キレッキレの切れ味が最初から最後まで続いていく久々の快作でした。

イライラするほどのお人好しキャラが主人公なのですが、

テンポ悪く(テンポ良く?)なす術なく災難に引きずり込まれていくのですが、

そこにこの映画の見どころが集約されています。

これって我々が数年前に経験したコロナ禍と同じで

非日常的なものにコントロールされ人生を蹂躙される感覚に陥ります。

コロナ禍前に観ていれば、ただの感染ゾンビ作品で済んだかもですが、

経験済後では、リアリティが変わってきますからね。

そこにゾンビ要素を持ってくることで冒頭の切れ味が増すわけで

良くできたエンタメ映画に仕上がっています。

戦争やコロナのような世界を否応なしに巻き込んでいく感を経験すると、

人生観に何かしらの影響が加わる(変わる)のは当然のことだと思うのですが、

主人公と、コロナ禍を経験した自分自身を重ね合わせて得られる終末感が、以前には無かったものに感じます。

今回は

そんな終末感漂う アポカリプスZという映画をご紹介したいと思います。


アポカリプスZ〜終末の始まり〜(原題 Apocalypse Z: The Biginning of the End)は、2024年10月に公開になったばかりのスペイン制作のアクション映画です。

ヨーロッパ風作品というよりも、ハリウッド的な極上エンタメ映画に仕上がっていますね。

アポカリプスZ prime video

🆘ネタバレ注意🆘

イルミネーションに照らされたスペインの街並み。

そんなシーンを窓から眺めながら、

子どもをあやす夫マネルを見て微笑んでいるのは妻のフリア

平和で幸せな一コマ。

ところが遊んでいたのは彼の姉の子ども、

その姉の家でクリスマスを楽しんでいたところでした。

甥っ子が彼を離してくれませんでしたが、何とか寝かしつけたところで

車で帰途に向かう夫婦。

ところが車の中では不機嫌そうな二人。

どうやら子どもを持つことで夫婦に考えの違いがあるようです。

車を運転しながら子どもが欲しいと訴える妻のフリアは、

興奮して接触事故を起こしそうになり、車を止めたのですが、

後続の大型トラックに吹き飛ばされ、二人は事故に巻き込まれてしまいます。


時は流れ1年後、

ダブルベッドからひとりで目覚め、階段を降りてくるのは、

マネル愛猫ルクロ

部屋に響くテレビの音声は、

ウイルス感染拡大だとか、国境封鎖といった言葉が飛び交っていますが、

マネルはそれを聞いても驚くこともなく、

一日のスタートの習慣である、

ルクロの水やりと餌を与え、

届いた手紙に目をやります。

(彼は弁護士であり、太陽光発電の会社経営者でもあるので手紙が多そう)

この間にもニュースの場面は流れており、

発生減はロシア(旧ソ連)だとか、重症患者がベッドの上で暴れて(?)いるような場面を見せています。

それこそコロナ禍を想起させる場面なのですが、

それ以外にも、

ベッドルームで独りだったこと、部屋の様子が荒れていることから、

妻のフリアとの間に別れがあったことが伺えます。

(1年前の交通事故死か感染病死か、それともただの離婚か)


車で出かける先は、ヨットマリーナ。

マネルが所有するボートの購入希望者との商談のためでした。

ボートの重要書類を見せるために、中へ入ると

その書類とともに思い出のミサンガを見つけたマネル。

じゃれあっていた時に切れたフリアのミサンガを、

ボートの手摺に縛っていたことを思い出しました。 

結局ボートは売れなかったのですが、スーパーに寄って帰ります。

同じ商品の購入は一点だけ、というスーパー場内放送に構わず、買い漁る消費者たち。

彼らを横目に正直に生きていくマネルもこんな時くらいは、

もう少し欲を出してもいいんじゃね、と思ってしまう場面。

家に戻ると、ルクロに餌を与え、

そして、フリアの切れたミサンガを、

祈るようにルクロの首に付けるマネル。

フリアの死があったことを確信した場面となりました。

そして、ルクロへの強い愛情も感じる場面でもありました。


姉からPC電話があり、

軍の仕事をしている姉の夫がカナリア諸島に転勤になるとのことで、

マネルも一緒に住もうという提案でした。

周りとの接触が無くなるロックダウンになると、

マネルのことが心配だとお姉様。

結局、姉に押されるように翌日空港に向かうことになるのですが、(姉夫婦は先に赴任地に行っている)

搭乗の寸前に、その飛行機だけではなく、全ての飛行機が一瞬の内に欠航になってしまいます。

“国民保護に関する臨時警報” が発せられ、

全てのスマホにも警報が入り、周りの人たちが騒ぎ出します。

どうやら数分で発症する変異種の存在がわかり発令されたようです。

パニックに陥る空港を横目に早く家へ戻ろうとするのですが、

道路は大渋滞で全く流れてくれません。

空港だけの問題ではなくあらゆる場所で渋滞が起きたり、

暴動が起きたりということをラジオで知り、

車を捨てる判断をして、歩いて家に戻ることにします。

翌日姉から情報が入り、

軍は住民を分散して隔離する方法をとるらしいのですが、(都会に集中しないよう、更に管理しやすいように分散)

家に独りでいる方が安全だと、軍関係者である姉の夫の情報を教えてくれます。

こうして一人と一匹のロックダウンが始まるのですが、

SNS で様々なことが分かってきます。

一番の問題は、発症者は意識を失くしゾンビ化して人を襲う、

ということでした。

実際マネルは、襲われている人を助けようと発症者と戦っています。

まさにその様子は、狂犬病とかゾンビといった非現実に思えるものですが、

持っていた金属の棒(ガソリンスタンドの備品)が偶発的に発症者に突き刺さる形でマネルは難を逃れています。

その後マネルは、軍の管理施設への強制移動を逃れ、(家の中でただただ居留守を使って)

予定通り生活感のない静かな町の住人となります。


スーパーでの商品の取り合いに参加出来なかった心の優しいマネルには、

当然ながら食料問題が一番の問題となります。

(電気に関しては太陽光発電の経営者なので問題無)

そして、「経済活動は全てストップ」という言葉に例外などなく

テレビ、ラジオ、更には電話といった通信などがない生活へと突入していきます。

食料もいよいよ底をつき始めたことから、

善人マネルも、いよいよ空き巣に入る決心をすることになります。

(善人も空腹には勝てません)

ゾンビ対策のため武装して空き巣に入るのですが、(完全な強盗に見え)

食品を家に残しているところはなかなか見つかりません。

ある日、押し入った家で、車椅子のガブリエラという高齢の女性と出会います。

障害のせいで、行政に置いて行かれたと言う彼女は、

ゾンビ騒ぎで町から人が消えてから最初に出会った人でした。

彼女は、町の人たちの行動をいつも窓から眺める習慣があったので、

食料がありそうな家は判ると言います。

こうして彼女の支持通り食料を調達する共同作戦が始まります。

この頃にはバイクも調達、飛躍的に効率が良くなりました。

しかし、いつまでも食料がある訳でもなく、調達が難しくなってきたある夜、

ラジオ放送が入っていると、ガブリエラから情報が入り(トランシーバーでやり取り出来る体制があります)、

生存者向けにラジオで周知している人がいることを知ります。

音声は途切れ途切れですが、

“アロウサ湾で待っています そこからカナリアへ…”

と聞こえます。

ガブリエラは“ここを動かない”というのですが、

絶対カナリアへ連れていくと譲らない善人マネル。

翌朝、ガブリエラを迎えにいくのですが、

彼女には、自分が足手まといになる未来が視えていたのでしょう、

“今までありがとう 自分の命を守って”

というメモを残し、命を絶っていたのでした…

障害を持つ老人に優しく接してくれたマネルへの感謝が見える、

切ない別れのワンシーン。


バイク後部に愛猫ルクロのカゴを括りつけ、

盗んだバイクで走り出す マネルでしたが、

途中、強固なバリケードに阻まれ、高速道路を降りることを余儀なくされます。

舗装されていない狭い山道をアクロバチックなバイクで走る マネル with ルクロは、

発症者の大群に出会います😰

振り切っても振り切っても湧いて出てくるゾンビ軍団😭

だんだん数量に押され、

とうとうバイクから振り落とされてしまいます😱

ルクロの籠も飛ばされ絶対絶命😱😱

最初の目的地である自分のヨットがあるマリーナまであと少しというところ…

マネルはルクロの籠を拾い全力疾走。

ヨットハーバーは、関係者以外入れない仕様になっていたので、

なんとか逃げ込み鍵を掛けゾンビたちの侵入を防ぐのですが、

肝心のヨットが1隻も残っておらず愕然とするマネル。

マネルの所有ヨットも当然のように盗まれています。

彼も人様のバイクでここまで来ていることを思えばお互いサマ😫

途方にくれるところでしたが、

繋がれていないヨットが、遠くない洋上に1隻見えます。

泳いでヨットに登り、内部を確認してみると、

感染者が独り…

動けない赤ちゃんが発症、ゾンビ化していました😢

ヨットのエンジンは掛からなかったので、

扉をそっ閉じ。

そのヨットの陰に動くモーターボートがあったので、

そちらに乗り換えて、

ラジオで言っていた集合場所のアロウサ湾に向かうことになります。


モーターボートでアロウサ湾を目指すマネルと愛猫ルクロでしたが、

道半ばして燃料切れ…

真夜中の洋上で見つめあうひとりと一匹。

ルクロの “にゃぁー” は

お腹が空いたにゃーの意味なのか

お前は頑張ったにゃーなのかはわかりませんが、

どちらも間違いではないでしょう。

そこへ、

洋上でライトを灯すモーターボートがやってきます。

大声を上げたマネルは、そのボートに助けて貰うわけですが、

そのボートは、大型船舶の見回り船だったようで、

そのまま大型船に身柄は移され、やっと食事にありつくことが出来たマネルとルクロでした。


食事をしていると、言葉が通じない責任者(明らかに悪のボス)と子分、

更にスペイン語を話せる通訳の男と合計3人でマネルところへやってきます。

マネルがこの辺の地理に詳しい人間だとわかると、個室を与えられ今後の同乗を許されることになります。

この船がどういった船舶なのかはまだわかりませんが

①ロシア語を話すボス(船長)はウシャコフ(多分ロシア人)

②通訳はビクトル・プリチェンコというウクライナ人で、船上の技術士としての仕事が本来の仕事

③職業を聞かれた時、弁護士は通訳されず、太陽光事業の会社経営者という肩書きでボスに紹介されたこと(ビクトルが何らかの機転を利かせてくれた)

怪しい船舶とはいえ、乗せて貰えるだけでも有り難いことに見えたのですが…

昨夜マネルは、船の窓から助けを求めたボート民を見ていたのですが、

彼らは船上にいるのか、通訳のビクトルに問いかけても

“知らない 大人しくしていてくれ”の一点張り。

船上では武器が沢山あったり、船長がコンクリートを求めていたり(?)、

スペイン政府や軍を頼るのではなく避けるような発言が多すぎたり…とおかしな点が出てきました。

そして、船長やその子分からの扱いが悪いのはロシア語を理解していなくても解ります。

スペインの地理的な情報のためだけに生かされているのだとマネルは考え、脱出を決意します。


脱出ボートを探している時に、昨晩のボート民が捕虜のように拘束されているのを見つけたマネル。

彼らを解放しようとしたところを、船員に見つかってしまい、マネルは窮地に追い込まれてしまうのですが、

救ったのは通訳のビクトル

近くの病院の屋上にヘリ(ドクターヘリ)があると与えていた情報がビクトルの頭に残っていたようで、

二人は脱出して病院のヘリでカナリアに行くというマネルの案に乗ってきます。

左肩に銃撃を受けたビクトルですが、モーターボートでの脱出に成功、

そのまま上陸して、投げ捨ててある車を見つけ、ヘリのある病院を目指すことになります。

マネルは、助けてくれたビクトルに感謝を伝えます。

サルボラ島隠れ家基地を作るのがウシャコフの目的、とビクトル。

そんな世紀末的な今の情勢を楽しむウシャコフを怪物と評し、

そのまま船に乗っていても消されてしまうだろう、とも。

マネルに心強い仲間が出来た瞬間でした。

そしてこれから二人は、

病院に向かい、屋上まで上がり、

屋上にあるヘリを操り(ビクトルはヘリの運転が出来る)

カナリア諸島まで飛ぶ、という明確な目標ができました。

ゾンビ軍団を相手に病院の屋上まで登ることが出来るのでしょうか、

そして、その屋上には今もヘリが残っているのでしょうか?

そもそも姉夫婦がいるカナリア諸島は、本当にウイルス感染に毒されていない土地なのでしょうか?

生き残るのであれば、いずれウシャコフ一味との戦いが残されているのでしょうか?

スペインやヨーロッパ(世界も)は、このウイルス感染から立ち直ることが出来るのでしょうか?

続きは是非映画を観て確認していただきたいです。

※2024年12月現在 Amazon Prime Video での無料視聴が可能です


追いかけられる夢をよく見る私、ちゅうは、

今回のアポカリプスZのような追いかけっこは、間違いなく夢に出てきますね。

今までは、殺人鬼や霊的なお化け、嫌いな蝶、会社の上司w といった1人ないしは数人程度に、

追いかけられ追い詰められる夢が多いのですが、

うじゃうじゃ大量発生から、そして以外に早いものから逃げるというのは、あまりないパターンかもです。

これからは、夢の中で足の速いゾンビに追いかけられる機会が増えることになりそうです。

今まではゾンビといえば、成人系の感染系のゲームを思い出しちゃうくらいの ちゅうだったので。(こういうゲームもそんなにしませんが)

あまりゾンビの映画やゲームには関わってこなかったですからね。

今回の映画が楽しかったので、今後はこの系統の作品を観たくなってきた訳ですが、

ゾンビもそうなんですが、ネッコ様も大活躍の映画でしたよ。

ゾンビから逃げる時のバイクの大揺れ具合に耐えたルクロは、正しくこの映画のヒロインでした。(オスだけど)

この映画の3割くらいは、ルクロの心配ばかりだったことを告白したい ちゅうでした。


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