心と体と

映画・ドラマ・アニメ

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例年と比べ、体の調子が上がってこない私、ちゅうは、

家でじっとしていることが多く、そのため映画、読書に触れる時間が増えているのですが、

体の不調に反して、選ぶ映画がことごとく面白い映画になっています。

少し前までは、結構ハズレを引いていたハズなんですけどね。

過去の病気の反省から、

体が不調でも心は安定しなければ、と自分に決めているので、

体に痛みがあっても、観る映画が楽しいと思えていることに、

本当に助けられているこの頃です。


いつものように amazon プライムビデオ で映画を探していると、

体の調子は悪くとも、心穏やかな ちゅうは、

今回紹介する「心と体と」 というハンガリー映画に行き着きました。

ハンガリー映画といわれ最初あまりピンとこない ちゅうでしたが、

Yesterdays という(現代プログレ系の)バンドの、

ハンガリー系の言語の心地良さを思い出し、無性に視聴してみたくなりました。

(ハンガリーの知ってることというと、バンド Dalriada とか、メイヘムのアッティラくらいか)

そして、

片腕の不自由な男性と、コミュ障の女性の物語、という設定に惹かれると共に、

女優さん(アレクサンドラ・ボルベーイ)のスチールの美しさにも魅せられてしまいました。

更に、この映画の受賞歴もなかなかのもので、大きなところでは、

ベルリン国際映画祭の金熊賞含め四冠、ヨーロッパ映画賞の最優秀女優賞があり、

アカデミー賞の国際長編映画賞にノミネートされた世界的な評価を得た作品だとわかりました。

これらの情報を集め期待が高まったところで、

2017年のハンガリー映画「心と体と 」(原題 Testrol es lelekrol)を観てみることにしました。

Bitly


美しい森、季節は冬

牡鹿が牝鹿との距離を縮め、体に触れる。

夫婦というよりは、求愛というか恋人の所作のように見える冒頭のワンシーン…

鹿の夢を見たのは、食肉加工所の管理者である エンドレ

彼は左腕に障害をもつ、もの静かなピート·タウンゼント風、中年男性。

最初は、人柄が滲み出る穏やかな好人物に見えます。

一方、

名作 レインマン レイモンド(ダスティン·ホフマンが演者)を想起させる

マーリア(アレクサンドラ·ボルベーイ)は、

自閉症スペクトラム障害 でしょうか、

並外れた記憶力を有しながらも、対人関係が苦手な女性です。

彼女はエンドレが働く牛肉の加工所の食肉検査官としてやってきます。

前任者が産休のため、二ヶ月という期間限定の検査官として赴任してきたわけですが、

会社の上司部下という関係ではなく、

会社のお抱え食肉検査官として、短期の契約を結んでいると思われます。

(弁護士を雇う感じに近いかな、多分)


人見知りのために職場に馴染めず

周りから煙たがれるマーリアでしたが、

加工所の管理者であるエンドレだけが、気にかけて話をしてくれます。

が、マーリアは心を閉ざしたまま。

彼女が発したセリフを後悔している場面があるので、

彼女の意に反し円滑な会話を苦手にしているだけで、

できることならば、円滑な人間関係を構築したいと思っているのです。

しかしながら、

杓子定規な一面ももつ彼女なので、

敵意を剥きだしにする者さえ現れてしまいます。

マーリアが下す食肉の評価が厳しすぎるから起きる敵意なのですが、

給料に反映してきそうな話ですから、憎みたくなる気持ちも分かるのです。

前任者だとA判定くれたのに、マーリアはB判定しかくれないと。

そして、地味で控えめな服装ではあるのですが、

天使のように透ける金髪に嫉妬する同性の目もあるようです。

金髪女性や 美人さんは、

異性に好かれ、

同性に嫉妬されるものなのかもしれません。


ある日、加工所にある交尾薬(牛用)が盗まれる事件がおきます。

加工所に交尾薬があることを知る者があまりいないという理由から

警察は、加工所内の人間の犯行とみて、

そして、快楽のための犯行とみて、

加工所で働く者を対象に、

メンタルヘルス健診を行い、犯人を特定することを提案してきます。


警察から推薦されたセクシーな女性カウンセラーは、従業員一人一人に、

性的な質問や夢の話などを聞き出し、精神分析、犯人を探していくわけですが、

エンドレマーリアだけが、面談のやり直しとなってしまいます。

犯人探しの面談で、最後まで残されてしまった二人は、当然不安になるわけですが、

エンドレが昨夜みたという夢と、

マーリアが昨夜みたという夢が、

同じ内容のものだったということ、が居残りの理由でした。


二人が昨夜見た夢は、映画の冒頭で見たエンドレの夢の類いでした。

エンドレは牡鹿となり、マーリアは牝鹿となって、夢の中で落ち合っていたのです。

同じ夢を見ることは普通にありえないことなので、

カウンセラーは、口裏を合わせた二人の妄言だと思っています。

一方疑われた二人は、疑われたことよりも、

二人が同じ夢を見ていることに、ただただ驚くばかり

翌日も翌々日も、職場で夢を確認し合う中で、

マーリアが初めて見せる微笑みが、二人の距離を縮めていきます。

“今夜も夢で会いましょう” と エンドレも微笑みで返し…


夢の中から心の方から、急接近を果たした二人ですが、

恋愛初経験、コミュ障のマーリアにとって、

これから進んでいくことが、初めてのことばかりで知識もないし、男性との接触も恐い。

そういったマーリアのリアルな不器用さが、

エンドレを不安にさせます。

年齢が離れていることもあるしょうし、

マーリアが望むものが、どんな愛なのかわからない

一度エンドレの家にマーリアを招いたときのこと。

良い雰囲気になりマーリアに触れようと思った時に

マーリアに拒絶されます

マーリアにとっては驚いて体を逸した感じでしたが(不慣れはありますが)、

エンドレには愛の拒絶と捉えられてしまいます。

エンドレはこの関係について慎重になっていきます。

一方、マーリアの心の方は完全に恋愛モード

携帯電話で連絡をしたり(恋人はお互いの携帯番号を知っているもの)、

ポルノで性愛を学んだり(恋人はこうやって愛しあうもの)、

ラブソングを聴いたり。

休日には、恋人が集まる公園に出かけ、抱き合う恋人を観察したり、

ぬいぐるみを購入、抱いてみたり

ついてこない体の方(接触)を彼女なりに学習していきます。


ある日職場の食堂で会った時に

マーリアは、エンドレから友人のままでいたい旨の話をされます

恋愛モードに入っていたマーリアは初めての失恋を経験します。

自宅の浴槽にCDラジカセを持ち込み、

今まで悲しすぎて、最後まで聞くことが出来なかった曲を流す マーリア。

ローラ·マーリングの

What he wrote という悲しい曲

そして、

浴槽に浸かりながら、

手首を切って自殺を図ります。

浴槽の中で、どくどくとながれる鮮血

 

携帯電話の呼び出し音で、

慌てて浴槽を飛び出し、電話にでるマーリア。

椅子に座り、痛々しいほどの血を流しながら

エンドレからの電話に応えるマーリンは………………


夢の中で出会い、育んでいった二人の恋物語は、

どんな結論が待っているのでしょうか

自殺を図っているマーリアを、エンドレは救うことができるのでしょうか

続きは是非とも映画を見て確認していただきたいです。


この映画はジャンル的に、ロマンス映画、ファンタジー映画といった分類になると思うのですが、

ホラー並のショッキングな映像が所々見られます。

生きている牛から、血抜き、解体と進んでいく過程は、

ホラー好きのちゅうも目を背けたくなるシーンでした。

ただ、これはこの工場だけの話ではなく、

世界中どこにでもあるありふれたシーンだということを、この映画は教えてくれます。

エンドレが面接官として人事に関わる場面があるのですが、

牛を殺すことに憐れみを感じる人間でないと、この仕事は続けられない、

というセリフがあります。

生産側、消費側関わらず、

現実から目を背けず、

知っておかねばならないことだと感じましたね。


マーリアがガラスの破片で手首を切るシーンもかなりエグくて、

流れる血の描写を見ていると

血の温度 を強く感じさせられます。

の証。

人との接触が苦手な女性の話でもありますから、

他人(愛する人)の血の流れるポンプ感、温度、心臓の音や鼓動、といったものを、

手のひらで感じとるような、そんな接触を浮かべるシーンが多いです。

マーリアは自分の体を傷つけることで(血を流すことで)

他人の体に触れることの擬似体験をしているような不思議な感覚になります。

(自殺のためじゃなく)究極の触れ合い疑似体験のために血を流す、と。

それくらい人肌の温度や血の温度というものを意識させられる映画でした。

エンドレの不自由な腕もそうですね。

温度というものを感じさせられます。動かなくても 生 を感じます


恋する人の意志など関係なく自分の夢に登場させる、

独りよがりな 夢で会いましょう

ではなく、

エンドレとマーリアのような両方向からの、

リアルな 夢で会いましょうのストーリー は、

ありそうで、今までなかったパターンでした。

それほど多くの映画を見ているわけではないので、

不勉強なだけかも知れませんが、

これからのラブストーリーの王道になってもおかしくない設定だと感じました。

アニメもそうですが、ファンタジーの要素が増えてきたことで、

昔と比較、シナリオの可能性が拡大していますよね。

そういう意味で、

ラブストーリーに関わらずですが、

まだまだ良い作品が生まれてきそうな映画界がを楽しみに思える ちゅうでした。


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