bleu なミステリー

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鬼才デヴィッド·リンチの4作目の監督作品(脚本も)となる映画ブルー·ベルベット

86年米国公開のサイコスリラー映画。

青いベルベットを身に纏う、不幸な歌い手役を イザベラ·ロッセリーニと、

その歌い手を喰い物にする暴力者を演じるイージー·ライダーの デニス·ホッパーの二人が、

リンチワールドの “bleu” な背徳感を極限まで高めてくれます。

ただ、最初にこの映画を観た学生の頃は、

エッチな映画という感想しか、頭に残っていなかったのも事実で、

(Hな映画が目的で、レンタルしたのも事実で)

このリンチの映画の面白さを知るのは、大ヒットドラマ、ツイン·ピークスの視聴までかかることになりました。

初期リンチ映画では、感動作のエレファント·マンと、ブルー·ベルベットは大人しめの映画、と認識していたのですが、

リンチ映画を見る順番が、

エレファント·マン

ブルー·ベルベット

ツイン·ピークス

だったので、そのせいもあったのかなと。

監督の色を濃厚に出してくるデヴィッド·リンチ作品ですから、

処女作でありカルトムービーの異色作 イレイザーヘッド を先に見ていたのなら、

印象が変わったのは間違いないと思います。

そういう意味で問題作 イレイザーヘッド を見てから、他のリンチ映画を視聴というのは、とてもアリなのですが、

良い方に転ぶかどうか、という問題もあり、人に勧めてよいのかなやみどころでもありまして。

視聴要注意の危険な映画でもありますからねぇ。

ちゅうにとっては、意味のある映画だったのは間違いないのですが…

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リンチ作品で、ヨーロッパ的な感性が特に色濃く出たのが、

今回のブルー·ベルベットでしょうか。

古き良きアメリカの日常も、夜や日陰になると様変わりします。

明暗というか、陽と陰というか、光と影というか。

薄暗い月明かりや照明、蠟燭に照らされるものが、

隠したい背徳感、本性を映し出すヨーロッパ映画(特に仏映画)を見ているような感覚に陥ります。

夜は外にいても、マンションの共用部分にいても、部屋にいてもとにかく暗い。

昼と夜ではっきりと区別を作り出しています。

例えば、主人公の若い大学生と女子高生の交流があるのですが、

その交流には、友達の関係が見てとれるのに、

夜になると、

昼と同じような友人としての会話であったとしても、

男女のそれを感じさせる薄暗い映像になっています。

その暗い闇は、人間が覆い隠したいものなのか、

単に人間の本性なのか、

それともまだ気づいていない(知らない)未知の新世界なのか。

そんなことを考えさせられる、

デヴィッド·リンチの名作、ブルー·ベルベットを観ていきましょうか。



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映画ブルーベルベットに関連する曲、関連するアーティストの代表曲などをリストしています。

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古き良きアメリカの風景を、ボビー·ビントンのオールディーズナンバー blue velvet にのせて、映し出します。

1950年代のアメリカの平和な街、皆が笑っている街。

そんな田舎町の大きな芝生付きの持ち家で、庭いじりをするのは主人公の父親。

彼は、芝生に水を撒いている最中に、発作を起こし倒れてしまいます。

カメラワークはその父親が倒れている姿を映し、

更に、彼が倒れている美しい芝生を映し出し、

その芝生の中を、掻き分け、掻き分け、掻き分けてみると、

大量の黒光りした虫が蠢く映像 がドアップで映し出されます。

陽気なオールディーズ、blue velvet が流れる中での 蠢虫群はかなりショッキングデス。


物語は、大学生のジェフリー(カイル·マクラクラン)が、芝生で倒れた父親の見舞いに行くことから始まります。

父の無事を病室で確認、その帰り道の出来事。

舗装もされていない田舎道から見える空き地で、石投げをしている時に、

切り取られた 人の片耳 を拾います。

その耳は、最近切り取られたと分かるものだったので、

ジェフリーは、女子高生サンディ(ローラ·ダーン)の父親が働いている刑事課に届け出ます。

この事件のことを父親から盗み聞きしていた娘サンディは、

ジェフリーと接触、父親が怪しいと踏んでいる女性の情報をジェフリーに教えてしまいます。

このことからジェフリー、サンディは事件に関わっていくことになります。

(この頃は恋愛関係なし、サンディは彼氏持ち)

サンディが父親から盗み聞きした内容は、

あるマンションに住むドロシー(イザベラ·ロッセリーニ)というクラブの歌い手が事件に絡んでいる

ということ。

ジェフリーは事件への好奇心から、害虫駆除業者としてドロシーの部屋に入り、

その時に部屋の合鍵を盗み出すことに成功。

彼女が夜、クラブで働くところを見届けたあと、彼女の部屋への侵入を試みます。


ドロシーの部屋で事件に繋がりそうなものを物色しますが、何も出てきません。

マンションの入口が見える場所でドロシーの帰宅を見張るサンディは、

ドロシーの帰宅を確認、車のクラクションでドロシーの部屋にいるジェフリーに合図を送るのですが…

ドロシーの部屋を物色中のジェフリーの耳にその合図は届かず

ドロシーが部屋に入ってきます。

ジェフリーは咄嗟にクローゼットに身を隠し、格子状のクローゼットの扉からドロシーの動きを探ります。


クローゼットから見ていたドロシーの主な動きは

着替え(大事)

②かかってきた電話で何者かに脅されている雰囲気だったこと

➂ソファーの下に大切な写真を隠していること

が解りましたが、

ジェフリーがクローゼット内で思わず物音を立ててしまい、

ドロシーに見つかってしまいます。

強盗(?)ジェフリーをナイフで問い詰めるドロシー

ジェフリーは半ば正直に、困っているドロシーを助けたい、ドロシーの力になりたいと種明かしをします。

ドロシーが心を許し始めるのですが、

タイミング悪く部屋に来客者がやってきます。

来客者は、先程の電話の男、フランク(デニス·ホッパー)でした。

ジェフリーはドロシーの手引で、先程のようにクローゼットに身を隠し、部屋の成り行きを見守ります。

クローゼットの前で、

ドロシーは、訪問してきたフランクに暴力的なセックスを強要されます。

完全に彼女を支配下におき、痛めつける狂人暴力男との会話、行為を見届けたジェフリーは、

フランクに、夫と子供を何処かに監禁されて、彼の為すがままにされてたことを知ります。(切り取られた耳は夫のもの)

ソファーの下に隠していたのは子供の写真

フランクがいない時はいつもその写真で涙していたのでしょう。


暴力男が帰った後、ジェフリーとドロシーは男女の仲になります。

ドロシーを助けたい、という言葉に嘘が無かったのを感じたからだと思いますが、

こともあろう事か、

ドロシーはジェフリーに暴力的なセックスを要求します。

そして、

ジェフリーもそれに応えます。

夫、子供がいるドロシーが、(不倫)

憎い男フランクにいつも強要されているプレイを、(SM)

初めて会った大学生に要求する。

綺麗な芝生と、その下にいた蠢虫のような関係性が、この男女の秘事の中にも存在しました。

そして、ジェフリーはこの関係を続けていくことになるのですが、

そう長く続くことはありません。

ジェフリーがドロシーの部屋を訪問中に、来客がやって来ます。

来客は、もちろんあの暴力男フランク

強制的にフランクの子分たちの車に乗せられたジェフリーとドロシーは、

更に、真っ暗な夜の中へ連れ出されてしまいます。

ジェフリーとドロシーはどうなってしまうのか。

(ジェフリーとサンディの恋路はあるのか?)

悪者、フランクとその部下たちにはどのような結末が待っているのか。

続きは是非とも、

映画で確認してみていただきたいです。


この映画の見どころは、

やはり冒頭に書いた、昼と夜明と暗善と悪表と裏といった対比が上手く表現されているところでしょうか。

そして後者の negative要素が主題の映画になりますから、

特に青、黒の暗さの表現がとても考えられているように思います。

絶望、背徳に近づくほど、暗さが黒に近づいていきます。

そしてもう一つの見どころは、

悪の対象、デニス·ホッパー

背徳の対象、イザベラ·ロッセリーニ

配役の妙です。

Fワード連発の狂人デニス·ホッパーの異常なキャラクター

名作カサブランカの主演女優、イングリッド·バーグマンを母にもつ イザベラ·ロッセリーニの高貴な血統が、

巨大な化学反応を引き起こします。

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もちろん他の俳優人の魅力も素晴らしいのですが、

この二人の存在感は凄まじいもので、

このあたりのデヴィッド·リンチの人選を含めたマネージメントが優れているのは、間違いのないことでしょう。

観る度に発見のある映画なので、是非ご覧になっていただきたいですね。


裏の顔というとあまり良いイメージは持てないものですが、

自分が普段使っている仮面だけで生きている人はいないと ちゅうは思っています。

恥ずかしくて隠したいこと、

普段の自分とはかけ離れた仮面を誰もが持っているものだと、

誰もが一つや二つ、秘密があるものだと、

この映画は教えてくれます。


mysteries of love という映画に使われた曲を、今回のプレイリストに入れていますが(7曲目)、

自分の思考が及ばない他人の思考がミステリーなんだ、と思うのですが、

それが愛にしろ、考え方にしろ、

みんな同じものなど無く人それぞれ違うものなんだと考えさせられました。

そのミステリーの正解が分かっていれば、その人と対立もないし、失恋もない別離もないのかも知れないけれども、

ミステリー だからこそ面白く、楽しく、悲しいのだと、リンチ映画に教えて貰った気がする ちゅうでした。



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