絶対守ル·ガール

映画・ドラマ・アニメ

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年末に、あるホラーの映画を観て以来、年を越しても、ホラー系の映画やドラマ、ドキュメンタリーばかり観ています。

きっかけになった ソレ の出来がよかったので、同じ系統の作品を見続けているのですが、

正直 ソレ を越える作品には出会えていません。

ソレ は

ゴーストやスプラッター系の怖さ、のホラーではないので、

怖がらせることを主眼に置いた作品ではないのですが、そうだとしても、

感動する場面や、微笑ましくみることのできる、

感情移入の種類が、普通のホラーとは全く違う物語なのです。

一般映画のヒューマンドラマの感動と、当たり前にホラーの要素もある、その映画は、

近未来に起こり得る、AIロボットの話なので、

大まかな展開という意味では、予想通りの結果になる類いの話ですが、

いろいろな面で目が話せない、2023年の大ヒットアメリカ映画。

映画の名前は ミーガン(原題 M3GAN)

Bitly

美しい容姿をもつ、

M3GAN と名付けられた少女の物語です。


物語は ケイディ という少女が、両親とスキー場に向かう場面から始まります。

ケイディ はスキーに行きたくないのか、タブレットで遊んでばかり。

彼女は、後部座席のとなりに、ぬいぐるみ を座らせているのですが、

タブレットを介して、そのぬいぐるみのお世話をしているようです。

つまり、ぬいぐるみの世話をタブレット上で指示してあげると、

ぬいぐるみ本体が、喋り返してくれる、疑似ペットのおもちゃみたいなものですね。

そのぬいぐるみと遊ぶことに関して、両親が意見を戦わせているのは、

ケイディがそのゲームに依存していること、を伺わせます。

そのゲームにだけ依存しているのではなく、心の病なのかな、問題は。

そんなケイディのために、スキーで思い出づくりという、リハビリ的な旅行なのだと思いました。

しかし、そんなケイディのための旅行の道中で、不幸にも、

家族は交通事故に巻き込まれてしまいます。


AIペット の研究、開発に余念のない ジェマは、おもちゃ会社に勤める独身女性。

ケイディが車で遊んでいたような AIペットの開発が、ジェマの仕事なのですが、

本当にやりたい仕事を、秘密裏に進めていました。

彼女が、研究所の仲間と、こっそりと進めていたのは

M3GAN

という人型AIロボットの完成。

新商品開発と、完成間近の AIロボットの追込を、同時進行で進める超多忙な彼女。

ある日、そんな彼女のもとに

両親を亡くしたばかりで、

他に身寄りのない

姪の ケイディ がやってきます。


ジェマ は遠くに住む両親に頼らず、ケイディを引き取る決断が出来る、優しい女性ですが、

そんなジェマに心を開かないケイディ

更に、仕事の忙しさもありケイディに時間をとれないジェマは、

縋る思いで、ほぼ完成の M3GAN をケイディに引き合わせます。

M3GAN はもともと人間を手助けするロボットとして開発を進めていました。

ジェマとケイディに当てはめてみると、

仕事があり ケイディに付き添う時間がない ジェマの代わりの母親の役割と、

両親を亡くしたケイディの寂しさを埋める友達の役割を、

M3GAN に託し、

ケイディのために働きケイディを守る

そして、ケイディの友達として、

ミーガン の名前を与えられることになります。 


ケイディとミーガンの初対面は、研究所で行われたのですが、

おもちゃ会社のラボなので、子どもたちの遊ぶ様子を観察出来る作りになっています。

ミーガンの研究に猛反対だった社長も、偶然この場面を目の当たりにします。

恐る恐る喋るケイディに、ミーガンは優しく語りかけます。

言葉って、こんなに人の心に刺さるんだ、と思うほど、

ケイディや、見ていた大人たちを虜にする ミーガンの仕草や言葉

ケイディは既にミーガンを大切な友達とみなし、

会社の社長はこの発明の有用性を認め始めました。

ケイディはミーガンという友達を与えられる代わりに、

この人型AIロボットのモニターとなり、会社に協力することになります。

こうしてジェマとともに、ケイディミーガンの新生活が始まるのです。


AI は現在の世界でも多用されてはいますが、

人間の感情に訴えるものではなく、機械的に答えたり、

複雑な計算を瞬時に導いたり、

頭は抜群に良いけど、冷たいイメージがあります。

しかしミーガンは、

両親の思い出を忘れてしまいそうで怖くなる、というケイディの告白に、

『ケイディが忘れそうなことは、全部忘れずに覚えていてあげる』と言って、

先ほどのケイディの告白をそのまま録音していた音声データを、自らの口から発し、ケイディに聞かせます。

自分の能力で出来ることを、すべてケイディのために使うというミーガンを見て、

ちゅう が泣かされたほどのセリフを、瞬時に自信をもって語るミーガンを見て、

何でも友達ミーガンに相談出来るケイディを羨ましいと思うほどでした。

母親代わりのミーガンもなかなかで、

ケイディがめんどくさがってやりたくないことも、

どうしてやらなければならないのか、根気強く説得して、納得させます。

ケイディにとってミーガンは、誰よりも(ジェマよりも)大切なものになって行きます。

全てを肯定する訳ではありませんが、充分に感情移入に値するミーガンなのですよ。

特にこの辺りまでは…


そんなある日、転機となる事件が起こります。

おもちゃの弓矢で遊んでいたケイディが、弓矢の矢が一本足りないのに気づき、ミーガンに一緒に探して欲しいと頼みます。

ミーガンの視覚は少しの時間で発見に漕ぎつけます。

隣家との境界の塀に、子どもが潜れるくらいの穴があいているのですが、そこから隣地へ入ってしまったようでした。

ミーガンは、その穴から手を伸ばし矢を掴もうとした時、

大型犬ミーガンの腕に噛みつきます

そして離そうとしません。

ケイディは、ミーガンを助けるつもりで犬に立ち向かいますが、

次にその犬は、ケイディの腕に噛みつきます

外の騒ぎに気づいた犬の飼い主が、犬を引き離します。

何とか事なきを得ましたが、

ケイディは犬に噛まれたショックから寝込んでしまいます。

ミーガンも犬に噛まれていますが、彼女はチタンで出来ているので問題ナシ。

ただミーガンは、ジッーと何かを考えているような表情

大切なケイディを心配しているのでしょうか。

大切なケイディを襲った犬を憎むのでしょうか。

それとも、

自分(ミーガン)を襲った犬を憎むのでしょうか。

このあとの、ミーガンの変貌を観ていただきたいです。


この映画の見どころは、断然ミーガンの表現力ですね。

喋りも動作も、人間的なものと、悪魔を感じるものと、使い分けが凄いです。

特に動作は、基本ロボット的なカクカクしたものなんだけれども、スムーズなカクカクというか、早いカクカクというか、

不思議な動きです。

パントマイムとかの人が、中の人なのかなぁ。

ミーガンが踊る場面があるのですが、不自然なくらい脱力してて滑らかで、人間の動きに見えません。(CGなのかなぁ)

悪魔的な踊りだけで恐怖を感じました。

ミーガンの喋りと動きだけで、天使と悪魔を演じ切るこの映画のMVPですね。ミーガンは。

ミーガンの友達、ケイディの子役俳優さんも喜怒哀楽がとても上手な女優さんでした。

ミーガンとの初対面の時のドキドキが ちゅうにも伝わるほど、上手くされていました。

この二人の距離感が良い映画でした。

先にも書いたように、ホラー映画ではあまり感じない心の動きなんですよね。

最後はホラーに突入するわけなんですが、それほどミーガンを悪魔とも思えない自分もいる映画でしたね。

何人か死人が出るわけですが、

ジェマ、ケイディ側の人からは一人も出ない、というのもあるのかも知れません。

皆さんにも是非観ていただきたいハートフルなホラー映画です。


この映画は、通常のホラー映画と同様、ホラーな対象は初めから分かっているお話です。

AIロボット が知能を予想以上に得てしまい、人間を襲うワケですが、

今現在の世界に、

現実 AIロボット は存在していますし、(程度の違いはあるけど)

人間の知能を越えて起こる災難は、たくさん例があります。

そう考えると、とてもリアルな話だと思います。

昔観たターミネーターという映画は、

人間に反乱を起こしたAI知能と、人間が戦う話でした。

(正確には、人間軍のカリスマリーダーの母親を過去に遡り暗殺にくる話)

テーマがとても近いですよね。

ただミーガンの方がより未来の作品なので、とても現実味を感じます

人口知能の反乱のように何が起こるかわからないですよ。この手の話は。

そして、

こういう科学って必ず悪用というか、倫理的にアウトと思っていても、

アウトに思わない層も必ずいるものだと思います。

クローン人間だとかの実験もあったようですし、

こういう問題ってどこまで進んでいくのか、とても不安です。


ちゅうが開発者なら、

ミーガンは、

チタン性ではなく、柔らかい素材で、非力に設計するとともに、

緊急停止ボタンを押せる権限者を増やし、

所有者の寿命と連動して、その役目を終える、

そんなミーガンを作るのに、

後出しジャンケンでイキる ちゅう でした。


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