壊れた友情

映画・ドラマ・アニメ

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望みもしない、大切な人との別れはただただ辛いものです。

死別ではなくても、

大切な人との決別は地獄です。

壊れた友情、愛、親子関係を、元に戻すのは難しいでしょう。

そして、憎しみが混じってくると、ただただ心が痛くなります。

私、ちゅうは自分の意に反して離婚をした方だったので(離婚された方)

この手の映画·ドラマを観ると

“なかなか人間関係は難しいんだよ”と、

答えを出せずに役者を追いかけるウォッチャーと化してしまいますw

この人どうするんだろう、てただただ ウォッチング。

自分に自信がないから、感情移入しづらいんですよね、きっと。

どうしたらいいのか 答えがわからないから。

ただ、こういう雰囲気の映画は好きなんです。

元々 bitter end の結末ばっかり観ている方だし…

目が離せないスプラッター映画を観てるのと一緒で、怖いもの見たさということなんでしょうかね。

今回の映画は、

幼い頃から強い友情で病気を乗り越えようと努力してきた二人が、

ちょっとした意見の違いからスレ違いが起きてしまう悲しい物語。

原作が、アメリカのコミック誌というある意味メジャー級の作品になります。


モービウス(原題 MORBIUS)は、2022年公開のアメリカ映画。

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モービウス prime video

元々は、MARVEL コミックス のヒーロー物アメコミ(スパイダーマン)の悪役として登場しましたが、

バットマンのようにダークヒーローとして生まれ変わって書籍化されたのが“モービウス”のようです。


🆘ネタバレ注意🆘

主人公 マイケル·モービウスは、ギリシャ生まれの医者で、

人工血液の開発でノーベル賞を受賞するほどの高名な研究者でありました。

(正式には受賞式会場で受賞を拒否した変わり種)

彼は幼少期から、毎日(3回も)血液を入れ替えしなければならない難病もちで、

そのことが彼や同じ病気を持つ仲間たちを救い出そうとする彼の動機になっています。

ただこの病気を克服することに執着するあまり、非人道的だとか、変人扱いされる側面もあるのですが、

患者のために尽くすモービウスは、基本的に絶対的な善人に見えます。


モービウスには少年時代に出会った マイロ(本名ルシアン)と呼ばれる友人がいます。

マイロも モービウスと同じ病気に侵されているのですが、そのことが二人の絆をより大きなものにしていました。

杖をつかなければ歩けない二人は、同年代の子どもたちからイジメを受けたようですが、

スパルタのように戦う (周りが敵ばかりでも勇敢に戦う)を合言葉に成長、

モービウスは前述の通り、高名な医学者となり

マイロは、事業(と思われる)で成功して巨額な富を動かせる人物になっていました。


マイロの豪邸を訪れたモービウスは、彼らの病気を治す研究が終盤までやってきたことを伝えます。

(マイロの財力がモービウスの研究を支えている)

今回は、特に世間一般では倫理的に顔をしかめるような方法であるので、

秘密裏に実験を行う必要があることを説明、

その環境をつくるためのお金の工面をマイロにお願いにきていました。

決して合法的なやり方とはいえないとしても、

周りが敵ばかりだとしても、

二人は スパルタの戦士のように戦うのみ…

二人の意見は一致していました。

逮捕される可能性もあるため、国際水域の船上で その実験が行われることになりました。

(汚れ仕事の手配はマイロが得意)


モービウスが考えていたのは、

血液を食料とする唯一の哺乳類である 吸血コウモリの遺伝子を患者に移植することで、この難病の完治を見込める

ということ。

このコウモリと人間の DNA合成は、モービウスのプライベートな仕事(ライフワーク的な仕事)でしたが、

マルティーヌという同僚の女性医師(美人)にその存在を知られてしまいます。

初めは非人道的な研究に難を示していましたが、

モービウスの中に、患者を治したいという本意を見たマルティーヌは、彼の手伝いをすることになります。

見るからに怪しげな船舶(パナマ船籍)と船上員の運航の元、

アメリカ東海岸の国際水域の洋上で

① 人間の遺伝子の書き換え(DNA結合)

② その遺伝子をモービウスに移植

が行われることになります。


実験は順調に進みます。

モービウスの体内に、統合したDNA投与後、

マルティーヌは、眠るモービウスの身体を固定椅子に拘束(暴れないように)したはずでしたが、

モービウスはそこにいません。

船上員と共にモービウスを探すマルティーヌは、変貌して暴れる彼を船内で発見します。

バケモノと化したモービウスを、船上員はライフルで対応しようとしますが、

彼を殺そうとする船員と口論したマルティーヌは、

モービウスと戦っている他の船員と衝突、頭を強く打って気を失ってしまいます。

見た目からコウモリ男となったモービウスは、圧倒的な戦闘力をもって、全ての船員 8名を殺してしまいます。

彼が正気に戻り人間の姿に戻った時には、船上に転がる船員の数々の遺体を見つけ、

ただただ茫然するのみ…

ただもう一人、

実験の助手をしてくれたマルティーヌが気絶しているのを確認出来たので、取り敢えずは安堵といったところ。

モービウスは、人間の意識でいられる内に実験に使ったパソコンの内容消去や証拠隠滅をはかった上で

SOS信号を送り、

彼は、

船上から海へ身投げをします…

翌日には、パナマ船籍の船上で血液のない状態の男性8名が発見されたニュースを、ラジオで確認するマイロ。

女性研究者が生存していることを加味した上で、

モービウスの生死 と、

実験の成否 を、

マイロは探っていくことになります。


海に飛び込んだモービウスは、実験の失敗の責任(乗船員の血を吸い殺した罪)から自殺したのかと思いましたが、

彼が新しく手に入れた強靭な身体はソレを許さなかったのでしょうか。

彼が最初に行ったことは、

病院で眠るマルティーヌの見舞(カルテ確認)と(彼女を巻き込んでしまった後悔と恋慕)

モービウスの病院の研究室で、自身の身に起きていることを、研究者からの視点で冷静に調べることでした。

彼が開発した人工血液を摂取すると、6時間は人間でいられることが解ったのですが

時間を過ぎるとコウモリの能力を有するコウモリ男となり人間の血を求めてしまうこと(ドラキュラ or 吸血鬼 ⁉)

人工血液の摂取を続けると、持続時間が少しずつ短くなっていくことも解ってきます。

更に、

身体的には、運動能力が全てに置いて向上しており、(杖なしで歩けるようになった)

特に跳躍力に長けていること、

人の生き血を吸うはずの吸血コウモリが、彼を仲間だと認識していること、

反響定位を使えること、(超音波を発し距離、方向、大きさなどを知ること)

などを学習していきます。


モービウスが気になるのは、血を求めてしまうという死活問題。

人工血液ブルー)に効果が認められなくなれば、

生き血レッド)を飲むしかなくなってしまうのか。

そもそも ブルーにしろ レッドにしろ飲まないでいると どんな状態になるのか?

モービウスのラボの一室(ガラス張り)に自分自身を監禁して、

断食ならぬ “断血”をしてみるわけですが、

ある意味想像通りの結論で、

自分のバイタルが極端に下がり、持っていた持病が再発、

血を求めて、のたうち回ることになってしまいました。

ちょうどその時、モービウスを探しにラボに来てくれた マイロに

苦しんでいるモービウスを偶然見つけてもらい、

人工血液を摂ることで難を逃れましたが、

モービウスにとっては、

いずれは レッド(生き血)がないと 生きていられなくなる

という残酷な真実を知らされることになりました。

(人を殺さないで生き続けることは出来ない)

一方でマイロの方は、杖なしで歩くモービウスを見て実験は成功と判断、

すぐにでも自分も同じ特性を持ちたいとモービウスに懇願します。

人を犠牲にしてまで生きることは出来ないモービウスと、

病気に苦しまないのであれば周りがどうなろうと構わないマイロとの間で

意見の対立が起きてしまいます。

マイロを怒鳴りつけ、ラボから追いだしてしまうモービウス。

彼にしてみれば、実験は失敗に終わったのですから、大切な友人マイロを巻き込むことは出来ないということになるのですが、

彼を慕い金銭面も支援するほどの貢献をした唯一の友人マイロを、荒々しく追い払ってしまったモービウスは、精神面でだいぶ追い詰められていたのかも知れません。

夜中モービウスは、自分と同じ病気の子ども患者が眠るのを見守りながら、

コウモリの本能と戦っていました。

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その日の夜、モービウスは病院内でトラブルがあったことを知ります。

それは、一緒に働いていた看護婦が病院の廊下で死んでいたこと。

更に死因が 失血状態であったことを知り、

彼が無意識に同僚看護婦を殺したことを悟ります。

モービウスはこれ以上の殺人を起こさないために、

人工血液を大量にバッグに用意、病院を離れることを決意するのですが

一階のエントランスホールには、FBI捜査官が待ち受けていました。


二人のFBI捜査官からは、

船上での実験に関わっているのでは、という疑義を掛けられます。

更に捜査官のイヤホンに、

病院内で関係者の変死体が出たことを伝える連絡が入っていることを

身につけたばかりの超人的な聴力で聴き取ったモービウスは、

圧倒的な跳躍力で病院の屋上まで逃げます。

屋上に追い詰められたモービウスは、圧倒的な能力で逃げ切ることも可能だったはずですが、

手荒なマネはせず、潔く捕まってしまいました。


マンハッタン拘置所に拘束されたモービウス。

じっと空腹に耐える彼の元に弁護士がやってきます。

入ってきたのは弁護士などではなく、先日怒りで追い返してしまった友人マイロ。

二人は独房で抱き合います。

“君はここにいるべき人間ではない”と諭すマイロに対し

“ここに いるべきかも”と弱気なモービウス。

ここにいれば、殺人は起きないわけですから。

そんなモービウスに

“どんな手を使っても、必ずここから出してやる”

と言うマイロは、

人工血液(ブルー) ワンパックを置いて面会を終え独房を出て行きます。

歩く時に必要なはずの “杖”も独房に置いていってマイロを見て、

彼が禁断のDNAを使ったことを悟ったモービウスは

差し入れのブルーを飲んで、パワーを発揮、拘置所を脱出します。


マイロは、彼と同じ吸血人間となってしまえば、彼と上手くやっていけると思ったのでしょうが

自制できるモービウスは、マイロとは考え方が根本的に違います。

拘置所の厚い壁をブチ壊したモービウスは地下鉄駅でマイロを見つけますが、

友人マイロはもう別の人間。

吸血人間になって、喜ぶ人間と

吸血人間になって、精神的に苦しむ人間は、

戦闘を繰り返す内に、もう相容れることの出来ない関係にまで落ちていきます。

マイロの方は、今まで出来なかった人間としての生活や遊びに没頭、

見ず知らずの人間を殺めたり、世話になった知人にまで手を出したりとやりたい放題。

(ちなみにモービウスの同僚看護婦殺しの犯人は モービウスではなく マイロ)

更にマイロは、

吸血人間の生みの親とも言うべき モービウスという存在が邪魔になってきたのでしょう。

早い内に始末しなければ自分が殺られる、と。

そんなこともあり、彼の仕事のパートナーである マルティーヌを見張ったりと、

モービウスの居場所を探すことに余念はありませんでした。


モービウスの方は、警察に追われる身になってからは、病院のラボには戻ることは出来なくなりました。

そうなると自身の研究を続けるためには、新しいラボが必要になります。

つまり、

病院の彼のラボから必要なものを持ち出せる人間が必要になるわけですが、

モービウスは船上の実験の時のように、マルティーヌの力を借りたいと、彼女に接触を試みることになります。

マルティーヌの方も実験で彼女が意識を失って以来、音沙汰のないモービウスを心配していました。

新聞では殺人犯として報じられていることも、彼女には信じられないことでありましたし…

そんな二人は、

FBIや マイロの監視を潜り 路面電車で再会を果たします。

マルティーヌは モービウスを信じ、彼の仕事を手伝う決心をすることになります。


モービウスは 偽札作りの不法なアジト(中心街の廃ビル)を圧倒的な恐怖を植え付けて奪いとり、

その場所に彼の新しいラボのハード面を整えていきます。

印刷に特化したアジトでしたからPC関連、業務用プリンターなど使えるものが多くあるようです。

マルティーヌの方は、病院に潜入、モービウスが必要とするソフト面を仕入れてきます。

ラボに潜入中にマイロの介入(モービウスの居場所を教えろ)もありましたが、

彼女は“知らない”を貫き通し、

彼のラボに必要なものや、大量の人工血液ブルーも仕入れ、

そして、飼い猫を引き連れて、

マルティーヌは新しいラボの住人として来てくれました。


新しいラボで、モービウスが作らなければならなかった物とは、

吸血人間を殺すための薬。

モービウスと マイロの生命を終わらせるための薬品でした。

“自分が初めたことは、自分で終わらせる”という モービウスの意思でした。

船上で罪を犯した彼自身は当然として、

これ以上の罪をマイロが起こさないようにするための救いの薬品でもありました。

こんな モービウスを見てマルティーヌは彼に惹かれていきます。

彼の方もマルティーヌに心を奪われていました。

廃ビルの屋上で交わしたキスは、彼の初めての恋でありました。


あるバーの駐車場でモービウスの仕業と見られる殺人事件が起こりました。

失血状態の死体でしたから、彼の犯行と見られてしまったわけですが、

防犯カメラから 別人の犯行だということが解りました。

そのニュースを見た、モービウスとマイロの ギリシャ時代からの恩師は、

マイロの犯行だと知り、

彼の家に行くのですが、彼に殺されかけてしまいます。

腹部から大量の血を流した恩師は、電話で モービウスを呼び出し、

マイロを更生させることを モービウスに託し、息を引取ります。

恩師の最後を看取った モービウスは、彼に対峙することを決意するのですが、

逆に マイロから、

“マルティーヌを預かっているからここに来い”

と脅迫電話を受けます。

怒りに燃えるモービウスは、反響定位で二人の場所を突き止め飛んで行きますが

そこにいるのは、

虫の息で倒れているマルティーヌだけ…

医者であるマルティーヌですから、死期を悟っている彼女は、

“無駄死にをさせないで…”

とモービウスに自分の生き血を吸うよう願います。

モービウスは、最後の口づけをするのですが、

キスの終わりに、彼女に口紅を噛まれます。

モービウスの唇から流れる血を舐めて満足そうな顔をみせるマルティーヌを見て

モービウスも、マルティーヌの首筋から血を貰い受けます…

そんな別れのラブシーンを近くのビルから眺めているのは、

自身の恩師と 最初の恋人を殺めた マイロ。

マイロの視線に気付いたモービウスは、

最大級の怒りをもって マイロとの最後の闘いに挑みます。

生涯最高の友人関係から、

最悪な吸血人間の醜い争いになってしまった二人の最終決着は、

是非とも、映画を見て確認いただきたいです。


Marvel のアメコミ作品だと知っていたなら、視聴しなかった可能性が高い映画だったのですが、

ヒーロー物とは違う、今作のような悲しい作風のものであれば、又見てみたいと思わされましたね。

個人的にはとても良い作品でした。

モービウスと マイロの見た目(コウモリ時)が 進撃の巨人エレンライナーに見えてしまうのは、

世界的なヒット漫画の影響があったのかなぁと思ったりしましたが、

こういったダークヒーロー物は、日本の漫画·アニメは得意ですからね。

漫画も アメコミも、アニメもハリウッドアニメも、お互い影響し合って良い作品が生まれるのなら

それに越したことはありません。

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ただこの映画、本国アメリカでは評判が悪いようですね。

倫理観の低い医者という大前提を、受け入れられない人は少なからずいると思うのですが、

コミックの支持層になる若者層なら、こういう志向の作品が結構あるので

ストーリー性があれば受け入れて貰えそうなものですけどね。

元々、マーベルのコミック誌の作品なわけだし、その層から支持を得られるのなら、それで良いのだと思うのです。

例えばですが、

仮面ライダーや戦隊モノの夏休み映画に、万人が受け入れられるストーリー性や芸術性を求める人なんていないと思うのです。

そして、

先ほどの 進撃の巨人だとか、魔法少女まどかマギカあたりは、名作と呼ばれますが、

魔法少女まどか☆マギカ prime video

若年層以外では圧倒的な支持を得るのは難しいように思います。

全ての年代が絶賛する作品なんてなかなかありませんよね。


考えてみれば、

2022年公開というとコロナの騒ぎがやっと落ち着いてきた頃だと思うので

その辺の悪い影響を被ってしまったのかなぁとも思っています。

「モービウス」は、そういう誤解を受けそうな要素がある映画、だということは間違いないですから。

マッド·サイエンティストと コロナは、

どう見ても「混ぜるとキケン」 ですよね。

本国で評判が悪いというのは、コロナという逆風に影響されたせいなのかも知れません。

単にタイミングの問題だったのかも…です。


それにしても、

モービウスと マイロの少年時代からの絶対的な友情が壊れていくのをみるのは

なかなかの辛いシーンでした。

悪役マイロ に箔を付ける意味合いなのでしょうが、ちょっと悪役すぎたかな。

子どもたちは喜ぶだろうけど。

もう少し柔らかい人物像で良かったような気もします。(大人の意見)

現在のマイロの悪性を強調するよりも

少年時代の友情を強調することで、現在のマイロの悪性を際立たせる方が良かったのでは、

と少し捏ねてみるアダルト意見の ちゅうでした。


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