好きにならずに

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好きにならずにいられない”(can’t help falling love)という歌は、

元々は、エルビス・プレスリーが出演した映画 ブルー・ハワイの挿入歌として採用されましたが、

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主題曲 ブルー・ハワイ以上に有名になり、

彼のライブの ラストを締めくくる大切なナンバーとなっていく エルビスの代表曲といえます。

この曲は、メジャー調の王道コード進行と ロマンチックな歌詞が受け入れられ、

多くのアーティストにカバーされることになるのですが、

ほぼほぼ 直訳といえる

“好きにならずにいられない”という邦題も、かなりの優秀さで、

この曲の幾多のカバー曲にも引き継がれていく 邦題 となってしまいました。

UB40 のレゲエカバーは特に有名ですよね。

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この完璧な王道ラブソングの、王道“邦タイトル”を持つ

好きにならずにいられない」 という映画を、アマゾンプライムで見つけたので、

今回はその映画をご紹介したいと思うのですが、

結論からいうと、

“何でこんなタイトルを付けた?”

という内容なんですね。

とても良い映画だったのは間違いないのですが、

明るいメジャーコードの“好きにならずにいられない”の雰囲気から程遠く、

むしろ暗鬱とした物語を見せつけてくるこの映画、

好きにならずにいられない”のあらすじを見ていきましょう。


好きにならずにいられない(原題 Fusi 英題 Virgin Mountain)は、2015年公開の アイスランド・デンマークの合作映画。

好きにならずにいられない prime video

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原題の 「Fusi 」(フーシ)は、この映画の主人公の名前で

この独身男 フーシの不器用な生き方を描く人間ドラマになります。

🆘あらすじ注意🆘

アイスランドの空港に勤める フーシは、

43歳、独身、頭頂の髪の毛が淋しい相撲取り体形の大男。(容姿で同僚からイジメられる)

仕事振りはいたって真面目、無駄話しはせず黙々とこなしていくタイプ。

仕事を離れても

戦争模型作りや、パノラマを使った戦争シュミレーションゲーム、ラジコン、etc…

を黙々と進めるフーシは、

日本でいう完全な“オタク”

長いこと年老いた母と2人暮らしのようですが、彼女は息子を溺愛している節があります。

ヲタ気質とマザコン気質が、彼の独り立ちの機会を奪っているようです。

更に最近は母が、男(老人)を家に連れ込んでいるため(堂々と性行為まで見せつけ)

尚更、部屋に閉じ籠もり、模型を作ったり、塗装したり、無駄に車で出掛けて夜の駐車場でラジオを聴いたり、が日課となっていました。

最近、住んでいるアパートの下の階に越してきた少女(友だちがまだいない)が、

フーシのラジコンに惹かれ遊びに来るようになるのですが、

優しいフーシは無下にも出来ず(彼は断ることが出来ない人)、

鍵っ子の彼女と一緒にいてあげたりしていました。

周りの大人からは、ロリコンを怪しまれることになるのですが…


母親の元へやってくるアグレッシブな愛人男(老人)は、

フーシの誕生日に、

“人生を楽しめ”と、ウエスタンハットと ダンスクラブの会員券をプレゼントしてくれます。

(カントリー音楽で踊る中高年向けのダンス)

フーシは、行きたくはなかったのですが、母親の愛人の好意を無下にも出来ず、ダンス教室に向かうことになります。

結局その日は勇気を出せず(教室に参加せず)、終了時間まで夜の駐車場で待機するだけになったのですが、

ダンス教室に参加していたと思われる女性から、家まで送って貰えないかと声をかけられます。

外は大雪でしたので、フーシは快諾、彼女を家まで送り届けることになります。

彼女の名前は シェヴン

ダンスの身なりでいるのに、どうして教室に参加しなかったのか、と シェヴンに聞かれたフーシは、

正直に理由を話したところ、

“次回は一緒に行きましょう ”と シェヴンに誘われることになります。

(家まで送ってくれたお礼で、来週誘ってくれることになります)

彼女とはマトモな会話は出来なかったのですが、

異性との接触を応援してくれた母親の愛人の目論み通りに事は進んで行くことになります。


翌週 フーシは、シェヴンのステップを見様見真似でダンスに初挑戦。

上手くは踊れませんが恥ずかしがったりせずに努力するフーシ。

そんな彼を見て微笑みを返してくれた彼女とは、教室終了後デート(先週のお礼の一環)することになります。

まずは、彼が毎週食べに行くタイ料理の店に行きディナー、

車を港に止めおしゃべりと、デートらしいことを初めて経験します。

有り難いことに シェヴンは、あまり喋らないフーシのペースに合わせて接してくれました。

デートを終え、家まで彼女を送り届けると、彼女は

“お茶でも飲んでいく?”と誘ってくれたのですが、

“お茶は飲まない”と正直に答えるフーシw

“コーヒーならどう?”と助け舟を出してくれたのに、

“コーヒーも飲まない”と答える フーシを怪訝な目で見つめる シェヴン…

気まずいまま車の中でお別れ。

彼女がアパートに入るのを確認したフーシは車を走らせるのですが、

少し思い直した後、

もう一度シェヴンの家に行き、勇気を出してピンポンを鳴らし、

“牛乳はある?”と彼女に問いかけたフーシは、

彼女の部屋に入ることを許され、デートの延長戦を続けられることになりましたw


部屋では、お互いの仕事の話が語られ、シェヴンが花屋で働いていることを知ります。

そして、彼女の部屋に溢れる花を見て、彼女が花をこよなく愛することを知ります。

一方のフーシについて、空港で働いているという話しから、

“空港に勤めていて、航空券貰えるのなら私に旅行をプレゼントしてよ”

という本心ではない冗談(⁉)が彼女から告げられるのですが、

フーシは、このセリフを シェヴンの本心と受け取ります。

彼女にとっては、軽い世間話でしかなかったのですが、

見たことのないような微笑みを浮かべ帰途の運転につくフーシでした。


フーシは 後日、旅行代理店で旅行プランを検討、エジプト旅行を予約します。

その足で シェヴンが働く花屋さんに向かうのですが、

花屋の店主曰く、彼女はもうこの仕事を辞めた、とのこと…

花屋を辞めるような素振りを見せていなかったことが気にかかり、彼女の部屋に向かいます。

彼女の家の近くに車を停め張っていると、ゴミ収集の車で送迎される彼女を見つけます。

フーシは呼び鈴を鳴らし、シェヴンを訪ねます。

花屋に行ったら“シェヴンが仕事を辞めた”と聞いたことを伝えると

彼女に“何しに来たの?”と怒り気味の対応をされます。

シェヴンを宥めて家にお邪魔すると、仕事のことは触れずに エジプト旅行のパンフレットを彼女に見せます。

“君を喜ばせたかった”とフーシ。

シェヴンはこの時、フーシをその気にさせたこと(勘違いさせたこと)を悟り、謝罪しますが、

それを分かった上でも 誘うつもりで来た、とフーシ。

それでもシェヴンの回答は“No”

エジプト旅行の話は直ぐに立ち消えてしまいました。


シェヴンに振られた形となった フーシは、酷く落ちこみます。

上手くいかない時は、何をやっても上手くいかないもの。

会社のイジメ野郎とは最近上手くやっていたのですが、

呼ばれたパーティーの席で、フーシは揉め事を起こし暴力を振るってしまいます。(悪いのはイジメ野郎ですが)

翌日ショックで会社を休んだフーシは、下階の女の子に遊んで欲しいとせがまれましたが、

それを断りドライブに出掛けます。

結局、ついて行きたいという女の子をドライブに連れて行くことになるのですが、

家に戻ってみると、警察を呼んでいた少女の父親が怒りモードでフーシを待ち構えていました。

最悪なことに フーシは、少女誘拐の容疑で警察に連行されることになってしまいました…

容疑は直ぐに晴れることになるのですが、この件でフーシを慕っていた少女とは疎遠になっていきます。

何をやっても上手くいかないフーシは、3回目のダンス教室に顔を出すのですが、

肝心の シェヴンは欠席していました…

ダンスが終わり、彼女の部屋まで行ってみると部屋の灯りがなく、

翌日の夜も確認に行くと、昨日と同じように部屋の灯りは消えたままでした。


シェヴンの部屋に異常を感じたフーシは、大胆にも玄関ドアの飾り窓を割り、真っ暗な部屋に侵入します。

荒れ放題の部屋の中では、点きっぱなしのテレビとエサを貰えない飼い猫の鳴き声が聴こえてきます。

テーブルの上の食器は食べ残しをのせたまま。

ゴミ収集業者のユニフォームは、ベッドの上に脱ぎっぱなし。

床は足の踏み場がないほどの散らかりよう。

そんな中、物置部屋らしきドアの飾り窓に写る人影を見つけます。

その狭い空間から出てこないシェヴンは、精神を病んでいました。


その日以来、フーシは溜まりまくった有給を使い仕事を休み、シェヴンのための行動を初めます。

食事を作り、毎回 彼女が籠もるドアの前に置いてあげたり、

荒れ放題の部屋の掃除や、フーシが壊したドアの修理をしたり、

彼女が回復するまでの間、彼女がクビにならないようにゴミ処理の会社と交渉、彼が彼女の仕事を代わりに行ったり、

と、シェヴンのために身を粉にして働きます。

見返りを求めず彼女に尽くす フーシは、シェヴンからの信頼を勝ち得、仲を深めていきます。

そして、

シェヴンは健康を取り戻した頃には、彼女のリードで二人は結ばれ、晴れて恋人となります。


いつもの タイ料理店でディナーを楽しむ フーシと シェヴン。

シェヴンは、“一緒に住みましょう”と同棲を提案します。

今まで一緒にいた母親のこともあり、迷いもありましたが、フーシは快諾。

シェヴンの元へ転がりこむことになりました。

後日、戦争ゲーム仲間にして唯一の親友 モルドゥルと二人でシェヴンの家に自分の荷物を運び入れます。

ある程度の荷物を部屋に入れたところで、

フーシは、シェヴンに呼び止められます。

“やっぱり、一緒に住めない”と。

また鬱を再発させてしまった シェヴンの気持ちを一番に考え、

フーシは、一度降ろした自分の荷物を 友人モルドゥルと二人で車に積み戻します…

フーシは今後、鬱を再発してしまった シェヴンとどのような関わりを持っていくのでしょうか?

鬱のシェヴンに、フーシが出来ることは何なのでしょうのか?

そして、仲の良かった二人に戻ることが出来るのでしょうか?

続きは、是非とも映画を観て確認いただきたいです。


この映画を観る前は、コメディタッチの恋愛映画だと思っていたら、完全に騙された感じでしたね。

内容は決して悪い作品ではないので、ちゅう的には問題ないのですが、

冒頭に書いたように、タイトルと映画内容のミスマッチ感は制作側的にはどんなものなんだろうと疑問には思いました、正直なところ。

ちゅうは 映画を観たあとに、日本版のポスターと本家の方のポスターの存在を知ったのですが、コレも完全にミスマッチ。

本家ポスターであれば、日本では評価されないという判断から、

キャッチーなポスター、キャッチーなタイトルでユーザーの関心を作り出したということなのでしょうか。

こうして多くの方にこの映画を知ってもらいそれなりの評価を得たということは成功ということなんでしょうけど…

映画だけで勝負出来る作品だったのに、

何かスッキリしないといういうか、勿体ないとは思いましたね。

根暗で地味なアイスランド作品だけでは、売りづらかったのは分かる気もするけれども…

英語版のタイトルである「Virgin Mountain」は、大男の初めて物語と考えれば、

結構この映画の本質を表しているとは思います。

“好きにならずにいられない”よりは

“バージン・マウンテン”で良かったと、ちゅうは思いましたけどね。


ただ フーシは愛すべき人間性をもった人ではありますよね。

オタクで、コミュ障なんていう側面ばかりついて回りますが、

正直者、穏やか、勤勉、献身性、公平性といった部分が彼の愛すべき部分なのは間違いないはずです。

ちゅうは特に公平性を持って人に接していくフーシにとても惹かれます。

小さな少女でも、自分をイジメる悪党でも、精神を病んだ恋人でも、愛人を連れ込む母親でも、

嘘をつかず、背伸びせず、等身大のフーシのままで、公平性を持って接しています。

幼女であろうが、自分を害する者であろうが、映画の中ではそれは変わりません。

そういった人物像を拾ってあげれば、

(フーシのことを)好きにならずにいられない なのかも知れないと思ったりして…

彼の子どもっぽい側面がそうさせるという部分も分かるのですが、

彼が職場の上司と 自身のイジメの問題や、有給休暇の申請の時の会話を見ていると、

幼児性など全くない 大人の会話にしか見えないのです。

シェヴンの勤めるゴミ処理の会社にお願いに行く時もそう。

彼は常に何かを考えて苦悩する人間らしい人間であって、

ただ、乗り越えなければならない

“たくさんの はじめてのヤマ”

と対峙するのが、他人に比べて遅すぎたというだけの 小さな問題だったのだと思います。

単に “ too late for love” ということでしょ。


あらすじには詳しくは書きませんでしたが、愛すべき人物が何人か見受けられる映画でした。

フーシの唯一の友人 モルドゥル

フーシの下の階に越してきた少女 ヘラ

フーシお気に入りのヘヴィメタル系ラジオDJ

この3人とフーシの関係性がとても心地よかったのも付け加えておきます。(ヘラは可哀想だったけど…)

そして、

ラジオDJがフーシのためにかけてあげた曲が、

スラッシュメタルバンド・SLAYER の中でも結構お気に入りの曲、Bloodline だったことが 地味に嬉しかった ちゅうでした。

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